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グリーストラップ容量の選び方|人数・席数・厨房規模の目安

新規開業や改装、厨房機器の入れ替えで悩みやすいのが「グリーストラップ(油脂分離槽)の容量」です。
小さすぎればすぐ詰まる・臭う・清掃負担が増える。大きすぎれば設置コストやスペースが重い。

しかし実際は「席数が○席だから○L」といった単純な話ではなく、業態・メニュー・洗浄量・厨房動線まで含めて決めるのが失敗しにくい選び方です。
この記事では、容量選定の考え方を「席数・人数」「厨房規模」「業態別の汚れ方」から整理し、現場で役立つ目安の作り方を解説します。

グリーストラップ清掃費用の相場はいくら?容量別・回数別の目安

1.そもそも容量が合わないと何が起きる?

グリーストラップは、排水の流れをゆるやかにして油脂を浮かせ、残渣を沈めて分離する設備です。
容量が小さいと、次の問題が起きやすくなります。

  • 分離が追いつかない → 油が下水側へ流れやすい
  • バスケットが詰まりやすい → 排水が遅い・逆流
  • スカム(浮上油脂)が増える → 臭い・害虫
  • 汚泥(沈殿物)が増える → 腐敗・悪臭
  • 清掃頻度が上がりコスト増 → 現場負担、業者費用が上がりやすい

逆に大きすぎる場合も、「掃除が大変」「置き場がない」「初期費用が高い」などのデメリットが出ます。
つまり容量選定は、衛生と運用コストを左右する“設計の肝”です。

2.容量選びの基本:見るべきは「席数」より「排水量と汚れ方」

よくある誤解が「席数=必要容量」です。
席数はたしかに指標になりますが、それだけでは精度が低いです。
理由は、同じ席数でも次が大きく違うからです。

  • 回転数(1日何回転するか)
  • メニュー(揚げ物・ラーメン・焼肉・カフェなど)
  • 洗浄機の有無(食洗機、予洗いの量)
  • 仕込み量(セントラルキッチンか店内仕込みか)
  • 持ち帰り比率(弁当・惣菜は洗浄が集中しやすい)

結論

容量選びは「席数」+「業態」+「厨房の洗浄負荷」で判断すると失敗しにくいです。

3.容量の目安を作る3つの軸(これだけ押さえればOK)

軸①:最大稼働時の「人数(食数)」と回転数

  • 1回のピークでどれくらい提供するか
  • 1日で何回転するか(居酒屋は長時間営業、回転は低めでも洗浄量が多いことも)

例:同じ30席でも

  • カフェ:軽食中心で皿数が少ない → 排水負荷が軽め
  • 居酒屋:小皿が多い+油もの多い → 排水負荷が重め

軸②:厨房の「洗浄規模」

  • 2槽シンクか3槽か
  • 食洗機(ドア型・コンベア)を使うか
  • 予洗いがどれくらい発生するか

洗浄が大きいほど、グリーストラップへの流入も増えます。

軸③:メニューの「油+残渣の量」

業態で汚れ方が極端に変わります。
特に負荷が高いのは、揚げ物・焼肉・ラーメン・中華・惣菜系。

負荷が比較的軽いのは、ドリンク中心のカフェや製造が少ない業態です(ただし乳製品やランチがあると一気に上がる)。

4.業態別のざっくり目安(席数ベースの考え方)

ここでは「席数を起点」にした、現場で使いやすい“考え方の目安”を紹介します。
※地域の基準・建物仕様・テナント規定で指定がある場合は、それが優先です。

①カフェ・軽食(油少なめ)

  • 10〜20席:小〜中容量
  • 20〜40席:中容量
  • 40席以上:中〜大容量(ランチ有無で変動)

乳製品・ホイップ・ドレッシングが多い店は、同席数でも一段階上を検討。

②定食・居酒屋(油と皿数が多い)

  • 10〜20席:中容量
  • 20〜40席:中〜大容量
  • 40席以上:大容量

小皿が多い居酒屋は“皿数”で洗浄量が増えるので、席数以上に負荷が上がります。

③ラーメン・中華(油が強い+残渣多い)

10〜20席でも中〜大容量が必要になることがある。
スープ油、背脂、麺くず等で汚れが進みやすく、容量だけでなく清掃頻度も重要。

④焼肉・揚げ物中心(油が最強クラス)

席数が少なくても大容量寄り。
網・鉄板・バット洗浄で油が一気に流入しやすい業態です。

⑤惣菜・弁当工房(製造+洗浄が集中)

席数概念がない代わりに「食数・製造量」で判断。
揚げ物量が多いなら大容量+定期清掃前提が安定。

ポイント

「席数が少ないから小さくていい」と決めない。油が強い業態は逆転します。

5.厨房規模で見る目安:ここで外すと失敗しやすい

席数より現実に効くのが、厨房の“洗い場”です。

シンクが大きい/槽が多い

流入量が増えやすい。

食洗機あり

予洗いが多いと負荷が増える(残渣を落とさず流すと一気に悪化)。

まとめ洗いが多い

短時間に油と残渣が集中し、分離が追いつかない。

つまり「厨房が大きい=容量も必要」というより“洗浄が強い厨房=容量が必要”と覚えると判断しやすいです。

6.容量選定でよくある失敗パターン

失敗①:席数だけで決めてしまう

油の強い業態なのに小さくしてしまい、すぐ詰まる・臭う。

失敗②:清掃頻度を考えていない

容量が足りないと清掃回数が増え、現場負担が爆増します。

失敗③:設置後にメニューが変わる

揚げ物を増やす、ランチを始める、テイクアウトを増やす。
こういう変更があるなら、最初から余裕を見る方が安い場合があります。

7.容量を“実運用で正解にする”ためのセット対策

容量選びは大事ですが、実は運用でトラブル率は大きく変わります。

  • 残渣を流さない(バスケットにネット)
  • 油膜は拭き取ってから洗う
  • 熱湯大量投入で流さない(配管で固化しやすい)
  • 毎日5分のルーティン(バスケット廃棄+フタ裏拭き)
  • 業態によっては月1〜の業者清掃を組み合わせる

「容量を上げる」だけより、「流さない運用」をセットにした方が、結果的に安定しやすいです。

まとめ:容量の正解は「席数×業態×洗浄負荷」で決まる

グリーストラップ容量は、席数だけで決めると外しやすく、人数(食数)・業態(油と残渣)・厨房の洗浄負荷の3点で判断するのが失敗しにくい選び方です。

  • 油の強い業態(焼肉・揚げ物・ラーメン・中華・惣菜)は一段階大きめ
  • 皿数が多い業態(居酒屋)は席数以上に負荷が上がる
  • 洗い場が大きい/まとめ洗いが多い厨房は容量と運用が重要
  • 容量は“設備”、安定は“運用”で決まる

開業時に容量を外すと、後からの変更は大工事になりやすいポイントです。
迷う場合は、業態の汚れ方と洗浄量を整理して、余裕のある設計にするのが安全です。

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